いまさらながら GODAC のテングギンザメの動画を見てみた.よくもまぁ,あれだけのものが公開されていたにもかかわらず,今まで探さず見ないで放置していたものだと反省しなくてはいけないのだが,いざ見てみると想像以上に「普通」の魚すぎてがっかりしてしまった.もちろんここでいう「普通」とは,その重要さに気づけず,さりとて理解不能なわけでもない,なんとなく分かった気になってしまっているという極めてよろしくない状況を指す.あれは相当マジメに解析しないとわかる気がしない.
下が古い.上が新しい.間は他所.
2010-12-16
2010-12-09
2010-12-04
こう言っちゃなんですが,世のなんとかコミュニケーター諸氏がアレの面白さとか有益さとかそういうことをわかりやすく垂れ流したいというのであれば,アレのつまらなさとか無意味さとか困難さとか,そういうのを伝える係ってのも必要だと思うのです.まぁ「伝わる」とか幻想ですが.
2010-12-03
2010-11-05
2010-11-01
サイエンスカフェというやつが,対象は「科学に興味がある (とはいうものの,実際のところ科学とは何かという興味ではなく,科学者による綿密な検討を経た科学的事実という名の仮説に興味がある,口にしないまでも暗に「無知蒙昧な」と付け足される) 一般市民」であるなどと言わず,「科学の素養がある人々」と言い切ってくれたら,穿った見方などしないのだが.
マスメディアは A 層を対象にしているメディアなのだから,その程度の話をしさえすればいいし,C 層と対話できるレベルの話をする必要もないし,A 層を C 層に変えるような「教育的」配慮なんてものをする必要もない(もちろんこれまでの話の通り,A 層はそうそう C 層に変わるようなものではない).問題は,C 層はマスメディアで流れている A 層向けの荒唐無稽な話を訂正するような発言を A 層に向けてするべきか,するべきだというのならば,それはどのように行うのがよいか,という点である.もちろん,C 層はそんなことに時間を割いてないで突っ走っててください,というのもひとつの答えなのだけど,残念ながら「説明責任」という言葉を都合よく解釈して A 層への「還元」が要求されていたりもする.そういう理由で行われているのが,いわゆるサイエンスカフェとかなんとか呼ばれるものなのだけど,自分の経験では,その場に現れるのは非職業科学者とでもいうべき C 層だったり,あるいはそういうところに出入りすることをステータスシンボルとする A ないし B 層だったり,要するにあれは決して A 層向けのものではないと思ってる.そういうわけで,この辺のターゲットに関する勘違いが,いわゆるサイエンスコミュニケーションに (笑) をつけたくなる理由の一つでもある.そういう A 層に向けての活動を大義名分とする人々は,いかに効率的に A 層に呼びかける方法はないものかと探していたりするのだけど,それは結局マスメディアの再発明にしかならないだろうという点は重要だと思う.また,ごく狭い観測範囲では,サイエンスコミュニケーション (笑) の人々というのは,現状のマスメディアを動かす人々が A 層向けに荒唐無稽なことをいう A 層から構成されているとでも思っているのか,C 層によるマスメディアならば荒唐無稽なことを垂れ流すことはないだろうという荒唐無稽な希望的観測に満ちているように見えることがあり,その辺がますます信用ならない.
2010-10-31
2010-10-18
某掲示板定点観測所だより:部分的な骨格が鉱物化石化してされに風化などで劣化した標本等からしか情報を得られないから、もっと大雑把にしか分類できないという大昔の生き物ならではの難しさがありますからねえ
…そろそろ FAQ 入りですな
2010-10-12
2010-09-24
2010-09-20
水伝でも血液型占いでもホメオパシーでもパワーストーンでも恐竜の絵でも何でもいいんだけど,いわゆる科学的ではない言説というやつは,これらを駆逐することで健全で理想的な社会を構築できるという言説が出てくるという点で,エロ本と同じくらい魅力的だと思う.その「駆逐することで健全で理想的な社会を構築できるという言説」も,相当魅力的な言説だと思う.
2010-09-19
たとえば,某界隈で「歯や爪が鋭いので捕食者」という表現をみかけたとき,それは解剖学で言うところの「歯」だとか「爪」だとか,幾何学で言うところの「鋭角」だとか,生態学で言うところの「捕食者」だとか,いわゆる科学者 (職業研究者) が使う論理における「ので」だとか,そういうことを想定すること自体が間違っている可能性すらある.
たとえば,ホメオパシーの体系は,疫学 (効く効かないの問題) や物理や化学 (波動とか濃度云々の問題) と矛盾を引き起こすことがある.より正確に言えば,ホメオパシーの体系でいう効くだとか物質の変化といった用語は,そもそも物質科学で用いる用語と表現としては一致していてもそれが指し示す意味が違うので,矛盾どころか,そもそも共通して扱っている対象が存在しない可能性がある.パワーストーンについてもおそらく同様だし,恐竜の絵についてもそういうことだと思う.
2010-09-18
twilog:2010-09-01 で言ったことだけど,同じ石を見ながら,物質科学的な鉱物学という体系を作ることもできれば,あるいはその心理的な効能に基づくパワーストーンの体系を作ることもできる.同様に,化石骨を見ながら,古生物学という体系を作ることもできれば,怪獣の体系を作ることもできる.それぞれの後者は,某同僚が指摘したとおり石を単なる記号表現として扱うだけの体系であり,前者の体系に対して何か致命的な矛盾を生むようなものではない.極端なことを言えば,彼岸の世界でいう Tyrannosaurus rex とこちらの世界で言う Tyrannosaurus rex は別のものを指しているし,どのような名前を使うべきかという問題に関しては 2010-08-08T12:13 に書いた程度の理由付けしかできない.問題があるとすれば,それら 2 つの体系を混同するような状況.
もちろん,生きていくには経済活動が必須なのだが,その上で研究活動を継続しようと考えると,どうしても議論相手だとか後継者といったもの (K 村さんのいう C 層) が欲しくなることがある.そこから,いわゆる教育活動というものによって A 層から C 層を生み出すことはできるのか,より分の悪いアイデアとして, C 層へのアピール (あるいは C 層との対話方法) は A 層へのアピールに流用できるか,などと考えたくなることがある.よりドライに,A 層には都合のいい知識を鵜呑みにさせておけばいいという考え方もあるが,マトモな研究を行うためには研究以外の場で何をしても許されるのかという倫理的な問いが生じることもある (ただ,これはあくまでも倫理の問題である).
経済的な観点から言えば K 村さんのいう A 層 (電通のいう B 層) へのアプローチが最も効率的,というのはかなり確からしいと思う.単純に自分の意見を広めたいのであれば,大声を張り上げてこの層にアピールすればいい.
2010-09-17
2010-09-13
自分の場合,少なくとも高校生の頃までは「恐竜の絵」が好きだったのだけど,これを脱したの父親の発言によるところが大きい.ひとつは「恐竜学恐竜学って言ってるけど,お前がやってるのは恐竜学じゃないよね」もうひとつは「なんで恐竜マニアっていつも恐竜のTシャツ着てるの」であった.
もうひとつ,twilog:2010-09-01あたりから某同僚と話していて気がついたのだけど.おそらく「恐竜の絵が好き」から「恐竜が好き」に変化することはない.最初から「恐竜の絵」と「恐竜」は別物でしかない.
根幹の部分でとんでもなく初歩的なミスを犯していたのだけど,古生物学に携わる数少ない研究者は多くはまず最初に恐竜に興味をもったと言われているのだけど,数少ない恐竜に興味がある人間の多くが古生物学を志すわけではない.それだけ.