下が古い.上が新しい.間は他所

2009-03-29

以前にも何度か引っかかった機能と形態は相関しないという発言について.重要なのは,機能形態学的研究と称されるものが扱っているのは「どのような動きが可能であるか」という問題であって「どのような動きをしたか」という問題では無い点だったりする.この 2 つを繋ぐには動き方が一意であることを示すより他はないが,まずうまくはいかない.そこで,新たな制約条件として「生物はなるべく死なないような動きをした」という仮定を設ける.たとえば,脚の動き方を考えるとき,そうすることで前に進まないような動き方 (軌道) は棄却するわけである.ここが,純粋な機能形態屋と生物系の機能形態屋の分岐点である.もっとも,この程度で動かし方の一意性など示せるわけがない.そこで,さらに「生物はもっとも効率のよい (機能的な) 方法を採用した」という新たな強い制約条件を導入してしまうのが,適応主義という名の悪しき意味での最節約主義だったりする.この末路については S.J. Gould せんせーが色々と語ってくれているので省略.