下が古い.上が新しい.間は他所

2008-03-31

クオリア (笑)

おそらく,科学者が科学者になれた理由というのが何なのか,そこんとこが理解できていないのが問題.

例えば,科学的な思考の結果を雑学としてちまちまと紹介する場合,その中にニセ科学が紛れ込んでも判別ができなくなってしまう.また科学者や技術者の人生を紹介する場合も,いわゆるライフハックと同じでいわゆる勝ち組の結果論となるか,あるいはただの精神論となってしまう.

テレビやラジオは受動的なアホを洗脳するために非常に有効なのだが,番組の大半をアホが作っているのでアホが拡大再生産されておしまい.

悪循環の要因は (1) 科学に興味がない,科学を信用していない人間は,コミュニケーションの場に現れない; (2) 真っ当なフツーの研究者は忙しすぎるのでコミュニケーションの場に現れない; (3) おかしな人は暇で,しかも声が大きい.だいたいこの3つ.

北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット (CoSTEP) にでも参加しようかと思い概要のページなどを見てみるも,科学的思考の重要性はわかっているけど職業研究者じゃないから今北産業的な何か,しか想定できていないようにしか見えない.

訂正:憲法改変について,新たな憲法が既存の憲法に反するという意味では間違いなく「改悪」だし,改憲しなければならないという社会通念に照らし合わせれば「善」という概念を新たにする,すなわち「改善」となる.

善か悪かは全くの感情論だが,良いか悪いかは評価しうる.という意味で,日本の製造業における KAIZEN は謎.

一般人にとって科学が難しすぎるというのなら,言い換えれば正直どっち正しいのか専門家ではないのでよくわからんというのであれば,なぜ科学者が懸命に研究した成果が信用されずに似非科学の方が選択されてしまうのか,mixiの某氏が指摘していたが,「新しい」とか「今まで聞いた事がない」などという理由で正しいものと信じられてしまうという怪現象が起こる.つまり単なる「改変」が勝手に「改善」に読み替えられ,そこには「改悪」という発想がない.逆に憲法第9条に対する左翼の発想のように勝手に「改悪」に読み替えられる例もあり,要するに論理なんてものはこれっぽっちも存在しないので,論理で説き伏せることができない.

論文の質やその真偽は執筆者の学歴や社会的地位で決まるものではない.しかし,科学者も論文を読む際には所属機関や学歴を確認する.これは,真っ当に科学をやっている人間にとって質の高い研究を行う為にどのような環境が必要であるかにある程度見当がつくこと,そして執筆者がどのような視点から観察・検討しているかに見当をつけることができるためである.逆に,たとえイオンド大学であっても博士あるいは教授でさえあれば権威として認められてしまうのは,学歴がどのような意味において重要であるかを考えず,結果としての肩書きしか確認しないがためであり,結局エセ科学に引きづり込まれてしまう.

人文科学も,社会科学も,自然科学も,科学は科学.馬鹿がやれば非科学.

陰謀論を支えるのは「科学者や主流派の主張にさえも疑問を持って何かを主張できる俺エライ」的な心理.いわゆる厨二病.他人の主張を疑う事に加えて自分が馬鹿である可能性まで疑えるかどうか,そして馬鹿であることに居直らずにいられるかが問題となる.

つまり,向学心があることや科学に興味があることは,必ずしも科学的な思考方法を獲得できることには直結せず,ニセ科学に向かいうる.

今日の名言:数学ができなければ文系.国語ができなければ理系.つまり,どっちも馬鹿.

2008-03-27

斑鳩近日発売

柄にも無いことするもんじゃないよなー,とかなんとか.どう見ても勘違い野郎です.本当にどうもありがとうございました.

2008-03-26

訂正:「アポロ計画」と「9.11」は共に物証があれば真偽を示せるかという問題について,後者は示すことができない.というか,物証たりうるものが存在し得ない.

何度となく書いてきたことだが,「科学は万能である」という誤解があるが故に,科学は役に立たないと思われてしまう.科学がどうにもできない問題というのは,要するに論理もへったくれもなく,万人が納得する解が存在しない問題ということになる.それでも解というか意志決定が必要な場面があるのは確かである.こういう場面では論理など存在しないのだから,最高意志決定機関が主観的に決めてしまえばいいのに,そういう奴らが「論理的だから」とわざわざ言い訳するから問題になるのである.つまり「論理などないところに『論理』を用いようとすること」と「論理ですべて決まるところに然るべき論理を適用しないこと」が問題.

そういう意味で「9.11」がアメリカの陰謀であっても実は全く何の問題もない.もちろんこのことはアメリカの陰謀であったということを意味するものでもない.要するに,科学の対象ではない.

要するに,これが検証可能性.検証可能性のあるものに陰謀論を適用するのは全く非科学的で無意味だが,検証可能性のないものに適用する分には人間関係がこじれるだけなので問題ない.

「陰謀論」と呼ばれるものにも2種類あるような気がする.一方の典型例は「アポロ計画」で,本当に月に降りたか,あるいはアメリカが「月に降りた」と言い張っているだけか,というもの.もう一方の典型例は「9.11」で,アレを本当にアルカイダがやったと思うか,アメリカがアルカイダがやったことにしていると思うか,というもの.どっちも物証があれば解決するという意味で似たようなものなのだが,逆に全く有効な物証が残らない場合,前者の例では「アポロは月に降りていない」ことになるのだが,後者の例では「わからない」という結論に至ることになる.

2008-03-24

某mixiに書きためたこともあわせてみると,科学への無理解というのは,自分の思い込んでいることと研究者が主張していることに違いがあることに基づき構築された陰謀論,としてまとめられる気がする.

「知られざる日本の恐竜文化」にみられる,古生物への分岐分類の適用を否定する金子隆一氏の誤解: (a)データマトリクスが完全ならば唯一の正しいクラドグラムを復元できる ;(b) データマトリクス上にnullないしunknown があることは客観性を欠く.第5章で触れているそれ以外の何かは,仮想敵に吠えているか,論旨とは関係ないネガティブなことに触れることで誤読を誘っているかのどちらかで,彼の分岐学に関する誤解と研究者に対する誤解によって全体が歪められているだけである.

「知られざる日本の恐竜文化」にみられる,K/T での隕石衝突を否定する金子隆一氏の論理:(1) Alvarez et al. (1980) に始まるK/T境界における隕石衝突説の論証は適切であった;(2) しかし,隕石衝突と恐竜の絶滅の間の関係を適切に指摘できた研究者はいない; (3) ゆえに,隕石衝突は無かった.以後,論文を曲解して引用して独自理論を展開.彼自身が「恐竜が絶滅しました.それはなぜでしょう.」式と揶揄している論法に陥っているのは何かの冗談だろうか.

世に出回る恐竜本/番組の内容とか質とか20年くらい前から何か進歩ってあったんかいな,と常日頃から管を巻いとるわけですが,短期間での一般人の啓蒙に成功した学術分野ってあるのかねぇ,という疑問.

2008-03-23

Nichollsia borealisだそうな.つーか,既にNichollsiaっていう等脚類がいるっぽいけど,いいのか?

2008-03-20

というか,横浜の某も無くなったか?

dreamcast.com の件でふと思い出したのが www.mer-maid.jp.いや別にフィッシングではないんだけど.

客観的代弁者:「このことにより両者の対立は避けられないものとなりました」

やはり金がからむイベントは失敗するとヤバい.とりあえず,某2名に対しあらためて殺意が沸いてきたわけだが,さて,どう解消してくれたものか.

2008-03-16

とりあえず批判対象が散漫なのはまずかろうということで某K子氏の本を読み直してみているのだが…やはりどこからツッコミをいれたらいいのかわからない.

ひとつには「僕の考えた最強恐竜」的な何かから抜けられるかどうかなんだよなぁ.合理的てのとご都合主義ってのがごっちゃになってるとか.

自分で言ってりゃ世話はないが,もともとあっちがわのダメ人間だったのが,こっち側に足を踏み入れようとそれなりの努力をしている最中なので,恐竜好きを理解できないまま地球科学/古生物学をやってる人間よりは,あっちの理屈をわかっているつもりだが,それでもどうしようもない溝はあるよなぁ,とかなんとか.その溝がなんなのかわかってないあたりがダメなんだけど.

某掲示板の内容があまりにあんまりなのでツッコミを入れようかどうしようか,と思いつつもあまりにツッコミどころが多く逐一潰していくのは不可能であり,かといって抽象的に言おうとすればイミフと言われ,そもそも教科書的な概念が通用しないので本読めと言えばそんな暇はないと返される.そんな向学心のカケラもないような連中相手に何ができるというのか,などと思いつつ,現状としてカスみたいな本と掲示板だけでできあがってる恐竜コミュニティというのはかなり問題なんじゃないかとかなんとか.

今月も教科書破産の予感.

2008-03-15

恐竜マニアの間でまことしやかに流れているKT境界のイリジウム濃集は5つもあるよ,という説.某K子氏が紹介したのが脈々と受け継がれてるんだろうけど,その元ネタとして紹介されてる Hallam, A. (1987) End-Cretaceous Mass Extinction Event: Argument for Terrestrial Causation. Science. 238, pp. 1237-1242. を読んでみたわけだが,どこをどう読んでもピークは一つ.おそらくK子氏が誤読したのがひたすら伝搬し続けている模様.恐竜屋の悲惨なところは「恐竜」という単語が含まれる本しか読まないところで,そりゃK子氏を介したデムパな話がまかり通るのは当然.もうちょいがんばって地球史の本,たとえば川上伸一・東條文治 『図解入門 最新地球史がよくわかる本』とか,平野弘道の『絶滅古生物学』とか,その辺にでも手を伸ばしてくれりゃどれだけ話が早くなることか.

2008-03-13

取材をして,わかりやすいように編集して,という仕事自体は必要だし,それを生業とするジャーナリストやら映像屋さんのマネージメントをするという意味でのテレビ会社やら新聞会社は存在していいと思う.そいつらが第4の勢力だとか言い出したら即刻潰すべきだが.

その生中継だって結局 web 上のストリーミング配信で済むわけで.となると,テレビがテレビである必要性って,受信装置の操作がひたすら簡単であること以外にはなくて,チャンネルを探すのも面倒な人々のために,大多数が好きそうなチャネルを片手の指で収まる程度の数だけあらかじめ選んでおいてあげる,というそういうメディアなんだろーなー,とかなんとか.

結局テレビって,生中継以外に価値があるとは思えない.

ざっと探した感じ,テレビがシーケンシャルだって話は 石井裕ってせんせーが書いてた模様

単にランダムアクセス性を求めるだけなら新聞とか雑誌みたいなものでも全然かまわないのだが,そこで満足できずに web に行き着くのは,音声とか動画のようなマルチメディア的なところとか,ハイパーリンクできちゃうところとか,簡単に全文検索できちゃうところとか,そんなもんではなかろーか.

テレビの何がダメかって,シーケンシャルアクセスしか許されないところ.しかもシーク速度が会話の速度かそれ以下だったりするところ.データ探しのために限られた時間の中でできるだけたくさんのチャンネルからアクセスしなければならないという需要に対し,絶望的なまでに使えない.

2008-03-11

ATOK が賢いのか MS-IME が馬鹿なのか.おそらくその両方というのが若干アレゲ.SKK-IMEも悪くないんだが,設定がめんどいのがなんとも.

2008-03-10

自転車通学再開.ドロヨケなしで水溜りはキツいが.

2008-03-08

つーわけで,日本に戻ってきました.まだ生きてます.残念でした.