下が古い.上が新しい.間は他所

2010-08-06

結局あの展示は誰に何を見せたかったのかさっぱりわからなかった.博物館のようなところで行われる文字や音声を用いた一方向的な手法では,各々の興味や知識に応じた解説をすることは困難,というか無理と言っていいだろうし,受け手は自分が理解したいように理解するだけ,という例の理屈によるならば,どんな解説をしようとも失敗に終わりかねない.そういう意味では,いわゆる「見世物」というものが,一体誰に何を見せたいものなのかというのは気になるところ.ただ,多くの人が見世物を受け入れるような何かしらの共通性があるというよりは,個々の勝手で素朴な解釈を妨げるものを排除しているだけ,という方が正しい気はする.だとすると,その勝手な解釈をあらゆる手段を用いて排除しようと努める科学的な態度の下での解釈を伝えられるかどうかという問題に対しては,悲観的にならざるを得ない.